​ソフトフォークとは

​ソフトフォークとは​、ブロックの検証規則を新しくするときに起こるフォーク(分岐)のうち、旧検証規則によって新しいブロックも認証可能なため、新検証規則に基づいて認証されたブロックが今までのブロックチェーンに繋がるようなフォークのことです。


よく言ってる意味がわからないという方、これで分かるほうがすごいです。ソフトフォークはそれとは対になる概念であるハードフォークと比較することによって初めてその意味がわかってきます。では、ハードフォークとの違いについて見ていきましょう。


ソフトフォークとハードフォークの違い

ソフトフォークはハードフォークとセットで理解することが大事です。ソフトフォークとハードフォークの違いとは何なんでしょうか。①ブロックの分岐が永久的に起こるか②新しい検証規則が過去のブロックを認証できるか​、という2つの観点から説明することができます。①は簡単な説明で、②は①の違いの背景となるもう少し本質的な説明になっています。ささっと読みたい方は①だけを読めば十分です。


①ブロックの分岐が永久的に起こるか

ブロックチェーンの分岐は自然に起きてしまうことが時々あります。ブロックチェーンではそういった分岐が起こってもまた一本のチェーンに収束するようにするために、一番長いチェーンを正しいチェーンとするという規則が定められています。

この規則によって、ソフトフォークの場合は分岐が起こってもしばらくするとまた一本に収束します。新しい検証規則で承認されてできたチェーンと古い規則で承認されてできたチェーンの二本がはじめはできてしまいますが、新しい検証規則を採用する人が多数派になっていれば、新しいチェーンの方が長くなっていき、古い検証規則で認証されたチェーンは間違ったチェーンとして判断され、ブロックがそれ以降続いていくことはありません。

一方、ハードフォークの場合は永久的に分岐が起こったままです。新しい検証規則によってできたチェーンは元のチェーンとは独立しているので、新しい通貨の誕生を意味します。


まとめると、ソフトフォークは通貨の単なるバージョンアップ、ハードフォークは新しい通貨が誕生して元の通貨はそのまま、ということになります!​

②新しい検証規則が過去のブロックを認証できるか

​ブロックチェーンの分岐が永久的に起こるか起こらないかの違いはどういった違いに起因するのでしょうか。

古い検証規則が新しい規則にしたがったブロック(検証規則変更後のブロックという意味)を認証できるのがソフトフォーク、できないのがハードフォークになります。これは新しい検証規則が古い検証規則と比べたときにどちらの方が厳しい条件になっているか​という違いと同じです。これでもまだ分かりにくいので具体例を見ていきましょう。

パターンA「トランザクション(取引)1つあたりのデータの上限を今までの半分にする、という変更がなされた」

今までは「1つのトランザクションのデータは2KBを上限とする」と決まっていたとしましょう。それが、新しい検証規則では、「1つのトランザクションのデータは1KBを上限とする」というものに書き換えられたとします。この場合、新しい規則に従ったトランザクションは当然古い検証規則も満たしているので、新しい検証規則でも古い検証規則でも認証できることになります。そのため、今までのブロックチェーンに新しい検証規則によって認証されたブロックと新しい検証規則によって認証されたブロックが連なっていくことになり、分岐が起こります。

ここで大事なのは、新しい検証規則の方がより厳しい条件になっているということです。この場合がソフトフォークです。

パターンB「1つのブロックの容量の上限を今までの2倍にする、という変更がなされた」

今までは「1つのブロックの容量の上限は1MBとする」と決まっていたとしましょう。それが、新しい検証規則では、「1つのブロックの上限は2MBとする」というものに書き換えられたとします。この場合、例えば2MBのブロックは新しい規則に従っていますが、古い検証規則を満たしません。つまり、新しい検証規則によって認証されたブロックは今までのブロックチェーンとは全く関係のないブロックとして生成されてしまいます。このようにして、今までのブロックチェーンに連なることなく分岐が起こります。

パターンAとは異なり、新しい検証規則の方がより緩い条件になっているわけです。この場合がハードフォークになります。



<コインオタクのオススメ関連記事>

ブロックチェーンの仕組みを知っていますか?ビットコインをはじめとした仮想通貨で広く用いられているのに、きちんと知っている人は意外と少ないです。初心者向けの簡単な説明から始めて、他のサイトではなかなか教えてくれない細かい仕組みまで教えます!

 (ハードフォーク記事リンク)


8月1日のソフトフォーク・ハードフォーク問題

​ビットコインでは利用者の増加に伴い、1ブロックに書き込めるトランザクション(取引)の数が少なすぎることが長い間問題になっていました。これをスケーラビリティ問題といいますが、このスケーラビリティ問題を解決するためにソフトフォークを行うか、ハードフォークを行うかで揉めていた過去があります。

ソフトフォーク派はSegwitという技術を導入して、1つのトランザクションのデータのサイズを小さくすることで、1ブロックあたりのトランザクションの数を増やそうとしていました。

ハードフォーク派はトランザクションのデータサイズはそのままにして、1ブロックの容量を大きくする​ことによって解決しようとしていました。

この論争は非常に話題になりましたが、結局どのような結論に落ち着いたのでしょうか。

8月1日にはハードフォークが起こった

結局、8月1日にはハードフォークすなわち通貨の分裂が起こり、ビットコインキャッシュ(BCH)という新たな仮想通貨が誕生しました。​ビットコインでは1ブロックの容量が1MBだったものを、ビットコインキャッシュでは8MBまで引き上げられました

そもそもハードフォーク派の人達はSegwitが実装されてしまうとASICBoostというマイニングを効率的に行える技術が使えなくなってしまうことを嫌っていました。ビットコインキャッシュではSegwitの導入はされていないので、ハードフォーク派の人達が願っていた仮想通貨だと言えます。


<コインオタクのオススメ関連記事> 

最近頻繁に取りざたされる、ビットコインの分裂。あなたは分裂とは何か、どんなことが起きるかご存知ですか?この記事では、ビットコインの分裂スケジュールと、そのときどういったことが起きると予想されるかをコインオタクが詳しく解説します。

 

8月24日にSegwitがアクティベートされた​

結局ビットコインにSegwitは導入されなかったのか…と思いきや、8月9日にロックイン(導入決定)され、8月24日にアクティベート(導入)されました。


​<コインオタクのオススメ関連記事>

ビットコインを語る上で外せないsegwit。技術的な話でよくわからない、色々な専門用語が出てきてよくわからない、そんなことを思っているあなた!コインオタクがsegwitを砕いてわかりやすく説明します!知っておくべき用語の1つなので必見!!

 


​今までに起こったソフトフォークの例

今までにどのようなソフトフォークが実際に起こったことがあるのでしょうか。ソフトフォークによって実装された技術について見ていきましょう。

​ビットコインのP2SH(Pay to Script Hash)

​ビットコインには2014年4月1日にP2SH(Pay to Script Hash)というものがソフトフォークによって導入されました。P2SHというのは、マルチシグ(マルチシグネチャ)をビットコインの取引に導入する方法です。これによって、ビットコインのセキュリティが高まっています。


<コインオタクのオススメ関連記事> 

セキュリティ対策をするうえで知っておかなければならないマルチシグについて!秘密鍵がハッキングされても、秘密鍵をなくしても大丈夫ってどういうこと!?ネットショッピングやマイクロペイメントにまで影響を与える新技術を解説します。

 

Segwit

​8月24日にビットコインにはSegwitが導入されたことはすでに述べましたが、モナコインライトコインなどの他の仮想通貨でもソフトフォークによってSegwitが導入されています。


<コインオタクのオススメ関連記事>

日本発の仮想通貨モナコイン。「投資したいけどよくわからない」「モナコインについて知りたい」という人のために、モナコインの将来性をコインオタクが徹底分析!チャートを使ってここ一年の値動きをわかりやすく解説しました!

 

今、世界で五番目の市場規模を誇る仮想通貨、ライトコイン(Litecoin)。Segwitがいち早く導入され「第二のビットコイン」として世界が注目するこのコインの今後、問題点、将来性をコインオタクが徹底解説!

 


これから起こる予定のソフトフォークは?​

NEM(ネム)のカタパルト

​NEM(ネム)という仮想通貨では、ソフトフォークによってカタパルト(catapult)という技術が導入されることが決定しています。このカタパルトという技術が導入されるとなんと1秒間に3000ものトランザクションが処理できるとされています。トランザクションのスピードが速いことで有名なRipple(リップル)が1秒間に1000程度なのでものすごく速いことが分かると思います。

このカタパルトの導入は2017年内とされていますが、まだ導入されていません。(2017年10月27日現在​)


<コインオタクのオススメ関連記事>

NEMのブロックチェーンを飛躍的に成長させるであろう「カタパルト」。この大型アップデートの時期については様々な予測がされていますが、実際にはいつ頃になりそうなのか?そもそもカタパルトとはどんなアップデートなのか?コインオタクが解説します!

 


ソフトフォークが仮想通貨の価格へ与える影響

​ソフトフォークが起こるというニュースが出た際にどのような価格変動が起こるのか、というのは気になるところでしょう。基本的にソフトフォークは新しい技術の導入を意味するので、その通貨への期待が高まり、価格が上昇することが多いです。たとえば、Segwitを導入することが決定した2017年4月にはモナコインが高騰しています。

ただ、ビットコインの8月1日のソフトフォーク・ハードフォーク問題のように不安定な状態になると価格は当然下落します。それでも、ビットコインもSegwitの導入が決定されたあとは高騰しました。


ソフトフォークまとめ

​ソフトフォークは新しい技術の導入に伴うブロックチェーンの分岐で、ソフトフォークが決定されると利便性の向上、バグの改善などの期待の高まりによって価格が高騰するということがわかったと思います。ソフトフォーク後に致命的な欠陥が見つかって大暴落するという可能性は否定しきれませんが、基本的には「ソフトフォークによる新技術の導入が決定されたらその通貨の買い時」と考えてよいでしょう。