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中国の深セン市が、3度目となる中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)のテストを近日中に行うことが明らかになった。
次のテストでは、およそ2,000万元(=300万ドル相当/約3.1億円)規模の「デジタル人民元」配布が予定されているといい、CBDC発行に向けて着々と準備が進んでいる。
中国の深セン市が、3度目となる中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)のテストを近日中に行うことが明らかになった。
地元メディアが報告した。
次のテストでは、約2,000万元(=300万ドル相当) もの、デジタル通貨電子決済(DC/EP=Digital Currency Electronic Payment)として知られる「デジタル人民元」が配布される予定だという。
第3回目の深セン市による「デジタル人民元」テストの日程については、『2021年1月26日よりCBDCの配布が開始』、そして『翌月2月1日~2月9日までの約1週間で配布されたCBDCの利用が可能』となる。
これまでに行われた「デジタル人民元」テストでは、住民の中でも主に“個人”が対象とされていた。
それに対して、次に行われるテストでは、その対象が深セン市内の一部の“営利団体およびその従業員”に絞られるという。
今回のデジタル人民元配布に参加するためには、各従業員は社会保障を購入・春節の間は深センに滞在する必要があるなど、特定の要件を満たす必要がある。
今回のテストで使用可能なデジタル人民元を受け取った人々は、第三者に転送することや現金に引き換えることができず、期間内に配布分を使い切れなかった場合は深セン当局に返還することになるという。
また、今回のデジタル人民元テストについて報告書によると、「住民の間でCBDCをテストすることとは別」の目的として、「春節の間に住民を深セン市内に滞在させ、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ」狙いがあるという。
デジタル人民元の円滑な使用や多額規模のトランザクション処理への対応など、今回のテストにも世界中から大きな注目が集まることとなるだろう。
Shenzhen gov started a DCEP Airdrop to anyone who’s in Shenzhen.. just need download a DCEP wallet , there are four wallets developed by the major 4 commercial banks pic.twitter.com/Zax4mq3ree
— Molly (@bigmagicdao) October 9, 2020
深センをふくむさまざまな地域で、これまでも中国は「デジタル人民元」の試験的運用を継続的に行ってきた。
2020年4月、中国人民銀行(PBoC)は、深セン・成都・蘇州・雄安にて、「デジタル人民元」のパイロットプログラムを開始。
同年10月には、深セン市が中国人民銀行と協力し、「デジタル人民元」1,000万元(=約1.6億円)相当を、住民を対象に配布。
さらに勢いを加速させる中国は12月12日、江蘇省蘇州市にて、一般市民が参加する「デジタル人民元」の実証実験を開始した。
このときは、抽選で選ばれた10万人の市民に対して“200人民元(=およそ3,200円相当)”の「デジタル人民元」が専用スマートフォンアプリに配布されている。
The third Shenzhen-based pilot test of the People's Bank of China's digital currency, DCEP, will see the central bank issuing a total of 20 million digital yuan ($3.1mn) in Spring Festival red envelopes to lucky winners #CBDC https://t.co/jVn4rwGews pic.twitter.com/pVBEZcR7rz
— Central Bank Payments News (@cbpaymentsnews) January 22, 2021
「デジタル人民元」発行の準備を、水面下で着々と進めている中国。
昨年8月には、中国国営報道機関が以下のように報じたことで世界中から大きな注目を浴びていた。
「これまでデジタル人民元の試験運用は、新華・深セン・蘇州・西安新区・成都などの主要都市でのみ実施されてきましたが、今後は、中国北部、東部、中部にも試験運用対象地域を拡大していく予定です。」
「現在、中国人民銀行は政策保証措置を策定しています。デジタル人民元を保管および取引するためのモバイルアプリをテストし、2022年の冬季オリンピックまでにアプリケーションの機能を向上させるため、関連企業や専門家がデジタル人民元の普及を積極的に支援していく予定です。中国当局は、あらゆる詐欺を排除し、セキュリティを向上させるために、デジタル人民元を迅速に流通させることを望んでいます。」
いよいよ中国による「デジタル人民元」発行が間近に迫りつつあるようだ。
なお、中国のデジタル人民元は、オープンかつ中立的な通貨とは言い難いため、“真の仮想通貨”ではなく、“サイバー空間の法定通貨”との認識が強い点には十分な注意が必要である。
今後も引き続き、デジタル人民元がビットコイン(BTC)などの仮想通貨市場にいかなる影響がおよぼすのかも含め、中国政府の動向には注目しておくことが重要となっていきそうだ。
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この記事は、btcmanager.comの「Shenzhen Continues CBDC Trials, Distributes Another $3 Million in Digital Yuan.」を参考にして作成されています。
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著者: CoinPartner 編集部 kenta